級内相関係数, Case3, ICC(3, 1), ICC(3, k)

Rの関数でICC(3,1)をやってみましょう

Rの関数を使用してICC(3,1)を算出

モデルは2要因なのですが、特定の評価者なのでagreementではなくconsistencyを選択

つまり評価者を固定効果として考えます

irr::icc(
    dat[,2:4],
    model="twoway",
    type="consistency",
    unit="single"
)

結果のみでよければ、ここまでです

ここからは、もう少し詳しく勉強してみましょう

統計モデル

モデルは$Case2$のときと同じです

$y_{ij}=\mu+\alpha_i+\beta_j+z_{ij}$

$i=1, \dots , n \quad j=1, \dots ,k $

$\alpha_i \sim N(0, \sigma_T^2) \quad \cancel{\beta_j \sim N(0, \sigma_U^2)} \quad z_{ij} \sim N(0, \sigma_Z^2)$

患者はランダム、評価者は固定なのでミックスモデルと呼ばれます

  • $\sigma_T^2$:真の分散(真の検査結果のバラツキ)
  • $\beta_j$の分散=$V(\beta_j)$
  • $\sigma_Z^2$:誤差による分散

*理論はもうちょっと複雑(交互作用の効果)ですので、詳細についてはShrout(1979)をご参照ください

The Expected Mean Squares(平均平方の期待値)

患者平均平方和 (BMS: between-targets mean square) の期待値

$BMS \fallingdotseq k\sigma_T^2+\sigma_Z^2$

評価者平均平方和 (JMS: between-judges mean square)

$JMS=V(\beta_j)$

誤差平均平方和 (MSE: Mean Square Error) の期待値

$MSE \fallingdotseq \sigma_Z^2$

以上のことから

$\sigma_T^2=\dfrac{BMS-MSE}{k}$

全体の分散から$V(\beta_j)$を引いた値の推定値

$V[y_{ij}-\mu]-V(\beta_j)=\sigma_T^2+\sigma_Z^2=\dfrac{BMS-MSE}{k}+MSE$

分散に平均平方を代入してICC(3,1)を求めます

$ICC(3,1)=\dfrac{\sigma_T^2}{V[y_{ij}]-V(\beta_j)}$

$=\dfrac{\dfrac{BMS-MSE}{k}}{\dfrac{BMS-MSE}{k}+MSE}$

$=\dfrac{BMS-MSE}{BMS+(k-1)MSE}$

分散分析表

二元配置分散分析を実施してIDと残差の平均平方和からICC(3,1)を求めます

fit <- lm(data ~ ID + PT, data=dat2)
anova(fit)

分散分析表から平均平方和のみを取り出してICC(3,1)を求めてみます

BMS <- anova(fit)[1, 3] #2462.52
MSE <- anova(fit)[3, 3] #53.47
(ICC3 <- (BMS - MSE)/(BMS + (3-1)*MSE))

Rの関数iccで算出した解と同じですね

ICC(1,1)との比較

ICC(1,1)では評価者が1名なので分散分析表からは除外しています

また誤差の分散としてICC(1,1)では49.1を使用してます

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