例題 歩行が自立している高齢者のバランストレーニングの効果を確認するために、30名を対象に床反力計を使用して足圧中心(COP)の総軌跡長を30秒間評価した。年齢別に差があるか有意水準5%で検定してみましょう。
僕が作った架空のデータで練習しましょう。結果についてはご意見があると思いますが、統計学の練習のためのサンプルですのでご了承ください。
データの準備と要約
使用するパッケージ
library(psych)
library(multcomp)
以下のファイルを読み込んでください(ファイルの読み込み方)
dat <- read.csv("anova-01.csv", header=T, fileEncoding = "UTF-8")
縦のデータセットです
head(dat)
グラフ(赤い線は全体の平均値です)
グラフの描き方はここを参照ください
各グループの要約
psych::describeBy(dat$data, dat$age)
情報が多すぎるので・・・
dat2 <- psych::describeBy(dat$data, dat$age)
lapply(
dat2,
"[",
c("n", "mean", "sd", "median", "min", "max", "se")
)
これくらいでいいでしょう
IDとageはカテゴリー変数に変更しましょう(重要)
dat$ID <- as.factor(dat$ID)
dat$age <- as.factor(dat$age)
回帰分析と分散分析
回帰分析
分散分析表の前に単回帰分析をやります(ただしageは0 or 1の2値変数となります)
fit <- lm(data~age, data=dat)
summary(fit)
lm(data~age, data=dat)
Rで単回帰分析を実行するときのプログラムです。y=data, x=ageです。ただしここではageが名義変数ですので解釈には注意が必要です。
この結果から以下のことが分かります
- age65-70の平均=1092
- age70-75の平均=1092+83.9=1175.9
- age75-80の平均=1092+234=1326
また一番下の行が分散分析の結果です
F検定のp値が<0.05なので3群のどこかに有意差があることが分かります
回帰分析でもう少し解説する予定です
分散分析
回帰分析の結果をanova関数に渡すことで分散分析表が出力されます(自由度、F値、p値は同じです)
anova(fit)
分散分析表
F値は回帰分析の結果と同じです
群間に有意な差があることが分かりました
多重比較
多重比較の方法のみ紹介します
Dunnet法
この検定はコントロール群と他の群との比較になります
ano <- aov(data ~ age, data = dat)
summary(multcomp::glht(ano, linfct=mcp(age = "Dunnett")))
65-70 vs 75-80 に有意差があります
これは、65-70群がコントロール群になっています
75-80群をコントロールに置きたいときは
dat$age <- relevel(dat$age, ref="75-80")
ano <- aov(data ~ age, data = dat)
summary(multcomp::glht(ano, linfct=mcp(age = "Dunnett")))
65-70 vs 75-80 と 70-75 vs 75-80 に有意差があります
Tukey‒Kramer法
TukeyHSD(aov(data ~ age, data = dat))
65-70 vs 75-80, 70-75 vs 75-80 に有意差があります
Bonferroni法
pairwise.t.test(dat$data, dat$age, p.adj = "bonf")
同じく65-70 vs 75-80, 70-75 vs 75-80 に有意差があります
結果のみでよければ、ここまででOKです
ここからはもう少し詳しく勉強してみましょう
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