非並行性の検定(交互性の検定)
各群の回帰直線
#各グループのデータセットを作成
setA <- subset(dat, dat$歩行練習 == "A")
setB <- subset(dat, dat$歩行練習 == "B")
#各グループの回帰直線
fitA <- lm(短縮時間 ~ 練習前, data=setA)
fitB <- lm(短縮時間 ~ 練習前, data=setB)
#作図
fig3 <- function()
{
fig1()
lines(
range(setA$練習前),
fitA$coef[1]+fitA$coef[2]*range(setA$練習前),
col="red"
)
lines(
range(setB$練習前),
fitB$coef[1]+fitB$coef[2]*range(setB$練習前),
col="red"
)
}
fig3()
非平行性の検定のp値が大きい場合には、両群の回帰直線の傾きが非並行ということになります
両群の共通回帰直線は無意味になり、それぞれの回帰式を吟味しなければなりません
非平行性の検定のp値が小さい場合には、両群の回帰直線の傾きが並行ということになります
この場合には共通する傾きを利用した回帰直線で検証することとなります
回帰分析と分散分析で並行性を検定してみます
fit2 <- lm(短縮時間 ~ 歩行練習*練習前, data=dat)
summary(fit2)
p>0.05という結果になり交互作用は有意ではありません
この結果から歩行練習Aと歩行練習Bの回帰直線を求めることができます
歩行練習Aの切片$=-3.532$
歩行練習Bの切片$=-3.532+4.4047=0.8727$
歩行練習Aの傾き$=0.4323$
歩行練習Bの傾き$=0.4323-0.2791=0.1532$
結果
歩行練習A$=-3.532+0.4323*$歩行練習前の10m歩行時間
歩行練習B$=0.8727+0.1532*$歩行練習前の10m歩行時間
注意)回帰直線は描けますが、外挿の予測はできません(結果を求めた標本の範囲内の予測のみ)
anova(fit2)
もちろん同じp値になりますが、p>0.05という結果になり交互作用は有意ではありません
(この検定結果で両群の回帰直線が非平行性を決める場合もあります)
交互作用項の平均平方和は各群の回帰式と共通する傾きをもつ回帰式の推定値から求めることができます(詳細は省略しますが、参考図のみ載せておきます)
両群に共通の回帰直線
両群の回帰直線が非並行性の検定で有意でなければ、共通した回帰直線が意味をもちます
- 全体の回帰直線(赤)
- 両群に共通した回帰直線(青)・・・fitで求めた直線
- 共通した傾きの歩行練習A群の回帰直線(緑)
- 共通した傾きの歩行練習B群の回帰直線(紫)
全て先ほどの回帰分析(fit)から求めることができます
比較のために群分け無しの全体の回帰直線(赤)も描いてみます
#全体の回帰分析(群分け無し)
all <- lm(短縮時間 ~ 練習前, data=dat)
#全体の回帰分析の傾き
all$coef[2]
#全体の回帰分析の切片
all$coef[1]
fig2 <- function()
{
fig1()
#全体の回帰直線
lines(
range(dat$練習前),
all$coef[1] + all$coef[2]*range(dat$練習前) ,
col="red"
)
#共通回帰式
lines(
range(dat$練習前),
(fit$coef[2] + fit$coef[1]*2)/2 + fit$coef[3]*range(dat$練習前),
col="blue"
)
#歩行練習A群の回帰式(傾きは共通回帰式)
xa <- dat[dat$歩行練習=="A", "練習前"]
lines(
range(xa),
fit$coef[1] + fit$coef[3]*range(xa),
col="green"
)
#歩行練習B群の回帰式(傾きは共通回帰式)
xb <- dat[dat$歩行練習=="B", "練習前"]
lines(
range(xb),
fit$coef[2] + fit$coef[1] + fit$coef[3]*range(xb),
col="purple"
)
}
fig2()
両群の回帰直線は外挿部分を除外してます
参考
両群に共通した回帰直線を求めるために以下のような作業を行います
まず歩行練習A群の平均を全体の平均までの移動させます(→)
次に、データを同じ距離を平行移動させます(→)
歩行練習B群も同じ操作を行い、全て移行させたデータから求めた回帰直線の傾きが共通した傾きとなります
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